2026年 01月 16日
令和8年の介護処遇改善について
今回発表された介護処遇改善に関する補正予算は、介護現場にとって非常に大きなインパクトのある内容となりました。
最大で一人あたり1万9千円の賃上げが可能になるという、大規模な処遇改善策です。
しかし、その仕組みは単純ではありません。
今回の処遇改善は「3階建て構造」となっており、1階部分は一律1万円、
2階・3階部分で残り最大9千円という段階的な設計になっています。
つまり、基本部分の1万円は比較的取得しやすい一方で、2階・3階部分まで活用するためには、
事業所側にかなり高いハードルが設定されているのが実情です。
特に難しいと感じるのが、2階部分の算定要件です。
施設サービスでは「生産性向上推進体制加算の算定」、「居宅サービスではケアプランデータ連携システムの導入」が必須条件とされています。
現場で日々の業務をこなしながらこれらの要件を満たしていくのは決して簡単ではなく、
ある程度の管理業務能力やITに関する知識がなければ対応が難しい内容だと感じています。
たとえば生産性向上推進体制加算について考えてみると、委員会の設置や開催そのものはどの事業所でも実施できると思います。
しかし、この加算で本当に求められているのはそこから先です。
ガイドラインに沿った組織的な運用、業務改善の実践、データの収集と分析、実績の報告など、
継続的に取り組むべき内容が多くあります。
単に会議を開けばよいというものではなく、実質的な生産性向上を伴わなければならない点が、この制度の難しさだと感じています。
当院では、まず居宅サービスに求められている「ケアプランデータ連携システムの導入」については、
すでに全部署で対応完了しました。今後は業務の効率化につなげ、紙やFAX中心のやり方から
脱却していくことが何より重要になります。
もう一つの大きなテーマである生産性向上推進体制加算への取り組みは、まさにこれからが本番です。
簡単な道のりではありませんが、年度内に運用体制を整え、加算算定ができるレベルまで仕組みを構築し、
現場の負担軽減につながる改善を進めていくことを目標に、組織として取り組んでいきます。
今回の処遇改善は、要件を満たすことができれば大きなチャンスです。せっかく用意された制度を活かしきれず1階部分だけで終わってしまうのではなく、努力と工夫によって2階・3階部分までしっかりと取得し、職員の処遇改善につなげていきたいと思います。

